薬を飲ん

認知症といってもいろいろなバリエーションがあることを知

私の母親も痛みを訴えたことはありませんでしたが椎体骨折を起こしているようです。私が小学生のころに比べて三センチほど身長が縮んでいます。もともと小柄ですので、骨の量も多くなく、加齢による骨粗鬆症の影響を受けやすかったのでしょう。さらに、骨粗鬆症には、遺伝が強く関わります。そういえば、母方の祖母も背中が丸く、「なんで下を向いて歩いているんだろう」なんてことを子どものころに思ったことがありました且萍公正ア背中が丸くなると腹圧が上がり、食べ物が逆流して逆流性食道炎になった不整脈が出る可能性があります。呼吸器肺の働きも障害されることがわかってきました。
り、心臓や大動脈も押されるためいろいろな病気の原因になるというわけです。
ここで骨の構造について少し説明しておきましょう。
骨は鉄筋とコンクリートでできている建物を想像していただけると、一番わかりやすいと思います。
どれだけいい素材の鉄筋を入れているか、どれだけコンクリートをケチらずにきちんと入れているかで、建物の強度が変わってきます。
と骨質によって変わります。
骨密度に相当するのがコンクリートで、骨の強さも骨密度たるのが鉄筋です。骨の量骨質に当鉄筋、つまり骨の屋台はコラーゲンでできています。コンクリートは、骨をつくったり壊したりする細胞(それぞれ骨芽細胞と破骨細胞と呼びます)で調節されています。コラーゲンは三つ編みのような構造になっていて、骨の中に足場を組んでいます。その足場に支えられて、コンクリートに相当するカルシウムから簡単に言うとミネラルが集まっています。
つまり鉄筋に相当するものが大事なのふつう骨の強さは骨密度で計られることが多いのですが、ではないか、ということが最近わかってきました。

老化のメカニズム人はなぜ実は骨質というのも、糖尿病の患者さんには骨粗鬆症の人が多く、とくに1型糖尿病(インスリンをつくる細胞が壊されて起こる糖尿病若年発症例が多い)の方では、七倍近く骨粗鬆症の危険性が高いのですが、骨密度を計ってみるとそれほど低くない。
建物でいうまた成人になって糖尿病になった患者さんにいたっては、とコンクリートの量は多い骨密度はふつうの人よりむしろ高いにもかかわらず、二倍、骨粗鬆症のリスクが高い。ポキポキ折れるのはどうしてか^どうやら糖尿病で骨粗鬆症を起こしている最大の原因は骨密度にあるのではなく、鉄筋に相当する部分、つまり骨質に問題があるのだろう、ということになってきたわけです。
AGEが骨をもろくするコラーゲンに問題があるというこ骨の鉄筋に相当するのがコラーゲンです。
とです。骨質に問題があるというのは、そこでAGEが登場します。骨のコラーゲンが糖化してAGEになると、コラーゲンとしての本来の機能を失ってしまう。つまり鉄筋としての機能を失い、錆びついて、ポキッとチョークのように折れやすくなってしまう骨のコラーゲンがどんどんAGE化してい長く糖尿病にかかっている患者さんほど、くからです。骨が折れやすいのは、長期でだから発症初期の糖尿病の患者さんは、いくら血糖値が高くても、糖尿病にかかっている患者さんほど骨粗鬆症になりやすいのです。

骨折のリスクはあまり高くない。
さきほど糖尿病の患者さんは骨密度があまり低くないと言いました。でも、長くかかっていると、骨質だけでなく、やがて骨密度も低くなってきます。糖尿病の患者さんに重度の骨粗鬆症が多いのはそのためです。
ここにも実は、AGEが関係してきます。
機能を失わせますが、細胞の受容体RAGEと結びつく鉄筋だけでなく、コンクリートもスカスカになる。
AGEはそれ自体、元のタンパク質を変質させて、と、攻撃的なモンスターに変身するのは、お話しした通りです。
骨を構成する細胞でもそれが起こります。骨には、骨細胞、骨を形成する骨芽細胞、さらに古くなった骨を破壊する破骨細胞の三種類が存在します。骨の新陳代謝を考える上でとくに大切なのは、骨芽細胞と破骨細胞の一つです。

  • 薬が合わないのでちょっと減らしてください
  • 薬を飲みなさいといわれてしまいます。
  • 細胞の中にポツポツといるイメージです

病気になりました。

細胞内にはミトコンドリアがあ骨はずっと変わらないように見えますが、古い骨は破骨細胞に食べられて、強度が維持されるしくみになっています。私たちの皮膚と同じです。
常に新しいものに置き換わりさてここに、コラーゲンが糖化されて終末糖化産物となったAGEが登場します。骨の細胞はみな受容体のRAGEをもっています。そこにAGEがくっついてAGE-RAGEの複合体が生まれます。
さあ、どうなるか。
骨をつくる骨芽細胞のRAGEにくっついたAGEはAGE-RAGEとなって骨芽細胞を殺してしまいます。
つまり骨をつくる細胞が減ってしまうわけです。
一方、破骨細胞のRAGEにとりついたAGEは、破骨細胞を活性化させ、どんどん増やします。骨は食べられてしまいますから、ますます骨の量は減ります。骨がもろくなっていくのです。RAGEを数多くもって生まれてきた例のネズミの骨は、ボロボロとなります。から溶けだしたカルシウムはどこに行くのか?
ここで一つ言っておかなければいけないことがあります。AGE-RAGEカルシウムが溶けだします。では溶けたカルシウムはどこに行くのでしょうか^によって破壊された骨からカルシウムは血液の中に出てきます。
そして結局は骨以外のところで沈着します。
とくに沈着しやすいのが、さきほど血管のところで話した動脈硬化のプラーク部分です。
かゆ動脈硬化の粥状部分に沈着して、石のように硬くする。
やわらかい粥のようなプラークと固い石灰化が共存するので、ちょうど境目のところに物理的なストレスがかかって、プッツンする血小板がやってきて、血液を固める、血栓ができる。
そして血管がつまる。
だから骨粗鬆症は、同時に動脈硬化、石灰化のリスクも引き起こすのです。
でもなぜカルシウムは動脈硬化の部分で石灰化するのでしょう^ここにもAGE-RAGEが関わります。

に働いて骨をつくらせなくし、破骨細胞に対AGE-RAGE複合体は、骨の骨芽細胞に対してはしては活性化させて骨を溶かしてしまいます。

病気に対してじんたい一方、血管の局所の平滑筋細胞や靱帯の細胞にはに働いて、骨をつくるように作用をします。片一方で骨ができつつ、片方で骨が壊れる。でも、骨にしなきゃいけない所で骨ができず、しなくともいい所で骨をつくる。まあ、みなさん方は、もうおわかりですよね。AGE-RAGEのこの性格出しゃばって引っ掻き回す。余計なことばかりする。
だから、骨粗鬆症が起きている一方で、きれば、靱帯の石灰化が起こってしまう。

血管で骨ができ石灰化すれば、動脈硬化が起こるし、靱帯で骨がで実際、そういう病気があります。後縦靱帯骨化症といって、背骨を取り囲む後ろ側を連結する靱帯がすべて骨になっていく難病です。骨になった靱帯が脊髄を圧迫したり、脊髄から出る神経を圧迫するので、手足がしびれたり、動かなくなる。おしっこやうんちを漏らしてしまう人もいます。
昔からこの病気は糖尿病の患者さんに多かったのですが、その理由がわかりませんでした。しかし、AGEの石灰化、骨をつくってしまう作用という観点で見ると、その理由がきれいに説明できますね。これも内輪の話で恐縮ですが、私の親父は、後縦靱帯骨化症に罹っています。軽い糖尿病もあります。幸い症状もなく、経過観察されているだけですが、実は親父の体にも母親同様、AGEが悪さをしていることになるわけです。

細胞分裂を繰り返しながら上層に向かい

きっと、この本を読まれているみなさんの身近な方の中にAGEが関わる病気に悩まされている人がいるはずだと思います。要は骨になってほしいところではできなくて、骨にならなくていいところで石灰化が起こる。
AGE-RAGEは徹底して人間の体内の均衡、バランスを壊していくのです。
悪の化身
といえるのです。
目に与える影響-白内障人間の体内にあるタンパク質はコラーゲンだけではありません。
黒目の表面の奥にある光を調節するレンズに当たる透明な水晶体は、クリスタリンというタンパク質でできています。この物質は一生入れ替わりません。
代謝されずにそのまま変わらない。
人の寿命と一緒です。
八〇歳まで生きるとすると、その間、一度も新陳一方、人間の皮膚は二八日で入れ替わります。体中の皮膚は二八日で全部変わってしまう。
たと、1カ月後のあなたは同じ人間ですと自分では思っていても、皮膚科医から見れば、です。一カ月前のあなまるで別の人間ということは、水晶体はひとたびAGE化を受けると、影響は大きい。
皮膚の比ではありません。
AGEを考える上で重要な点は
時間
だと言いました。
つまりどれだけ高い血糖値に、どれだけ長くさらされるかが問題です。

病気に影響しないかと心配する母良恵さん

治療を始める必要があります。でも、もしタンパク質が皮膚のようにすぐ入れ替わるものなら、かりに糖のたんこぶができても、ある程度の時間が経てば入れ替わってしまうので(ふつうの皮膚より入れ替わる時間はかかるかもしれませんが)、時間のファクターは薄められます。
ところが水晶体は生まれ落ちてからまったく変わらないので、いままでのAGEのツケを全部一緒にため、んでしまいます。水晶体がAGE化すると、濁ってきます。もっともひどい状態になると水晶体が黄色くなる。目玉を見ると黒目が黄色に見える。つまり食べ物の中のタンパク質が糖と一緒に加熱されて茶色くなるメイラード反応
褐変反応が、クリスタリンに起こってしまうわけです。これは、きわめて進んだ白内障と考えられ、褐色白内障と呼ばれています。内障と言っていますが、さらに進行すると黄色くなる。水晶体全部がAGE化して、まさしくフライパンで調理したのと同じようなことが起きてきます。
もっともいまの眼科では、褐色白内障はあまり見られなくなりました。情報化が進んでいるので、水晶体が濁ってくると、「あなた、白内障じゃないの?」といろいろな人から言われます。早い段階で病院に行くので、何とか食い止められるでも私が医者になった二五年くらい前は、黄色い目の人がけっこういました。

とくに糖尿病の患者さんに多ふつうの人は七〇歳くらいから白内障の症状が出てきますが、糖尿病の患者さんは五〇歳くらいから症状が出てくる。それは高血糖のため、AGEの反応が進み、クリスタリンのAGE化が起こってくるからです。3脳に与える影響-アルツハイマー病アルツハイマー型の認知症とは、アミロイドというタンパク質が脳の組織に沈着して神経細胞が破壊され進行性の記憶障害、認知機能障害を起こす病気です。もっとも多いタイプの認知症で、日本には六0.00万人いると考えられています。ドイツの精神科医アルツハイマーが、嫉妬妄想と記憶障害が主な症状の女性を診察し、後に師匠のクレペリン先生が教科書で紹介したことからアルツハイマー病と呼ばれるようになった病気です。沈着したアミロイドは、老人斑と呼ばれる斑点をつくります。沈着が広がって、斑点が増え、神経細胞が破壊され、認知症が進むわけです。


老化のメカニズム人はなぜ 細胞分裂が盛ん 治療と併用しているとき