検査が行われています。

治療と併用しているとき

病気の疑いが強い場合に行うことになっている

ところで、アミロイドとはもともとそういうタンパク質があるのではありません。
でもアミロイドになりえます。どんな種類のタンパク質アミロイドとはタンパク質が何らかの作用を受けて、な立体構造になってしまい、難溶性の物質として重合、本来の構造を保てなくなり、クロスβ構造という特殊蓄積してしまったものをいいます。アミロイドになると、ひじょうに溶けにくい不溶性の性質に変わり、組織に沈着しやすくなります。
脳にたまると脳の神経細胞が死滅し、アルツハイマー型の認知症を引き起こすというわけです。
それがとくに記憶に関わる海馬という部位の神経細胞が最初に障害を受けるので、つい最近したことを思い出せない、最近だれと電話したか覚えていない、などの初期症状が出てきます。もちろん、ふつうの方でも、物忘れはありますよね。でも、一般的にはヒントを与えると、つい最近のことは思い出せることが多いはずです。
プランを立てたり物事を理詰めで考えられなしかし、アルツハイマー病では、思い出せないそのうちに、くなり、好きなことへの興味も薄れ、人格が失われていきます。

アルツハイマー病患者の老人斑にAGEが沈着している!

大脳皮質に見られたβアミロイドの老人斑のところに写真A、AGEの抗体で染色すると、AGEが見つかった写真B
そしてこのタンパク質がアミロイド化する原因として糖化、すなわちAGE化が関わっています。
病気と付き合う覚悟を決め

薬をやめてしまう原因になる

タンパク質がAGE化すると、本来のタンパク質の機能を失って劣化したり、変質するという話をしましたが、その中にはアミロイド化も含まれます。アルツハイマー型認知症の患者さんでは、βアミロイドのAGE化が三倍進んでいるという報告があります図8
またもやAGEのしわざ!
まったくやっかいな奴です。
さらに最近になり、例のAGE-RAGE複合体が、アルツハイマー型の認知症に関わっていることがわかってきました。実は、脳の記憶を担う神経細胞にもRAGEが存在しますAGEが神経細胞のRAGEにくっつくと、神経細胞は死んでしまうのです。さらに、神経細胞の働きを調節している脳のグリア細胞でAGE-RAGE複合体の活性化が起こると炎症反応が起こり、神経細胞の障害がより進行していくことが知られていますRAGEを数多くもって生まれてきた例のネズミでは、あっという間に、認知症が進みます。
ということは、AGE-RAGE複合体の活性化を抑えることができれば、アルツハイマー型認知症の発症を抑えることができるかもしれない、ということになるわけです。老化に伴って動脈硬化が進み、心臓血管系の代表的な病気である心筋梗塞や脳梗塞になりやすくなる。年とともに骨がもろく折れやすくなり骨粗鬆症になる。これらにAGE-RAGEが関わっているのと同じように、認知症にもこのモンスターは悪影響を及ぼすわけです。
どれだけ、老化を押し進めれば気がすむのでしょうか。
AGE-RAGEが関わる病気は、増える一方です。糖尿病になぜ認知症が多いのか糖尿病の患者さんには認知症が多いというお話をしましょう。

 

症状であることに変わりはありません。

遺伝的要素はプラスにもマイナスにも変わっていくのです。理由の一つは、やはりAGEです。糖尿病の患者さんは高血糖にさらされているので、体内のタンパク質がAGE化しやすい。
その中にはアミロイド化したタンパク質も含まれます。
それが脳で起こると、老人斑といわれるアミロイドの沈着が起き、認知症を引き起こすわけです。
内皮細胞をサポートする周皮細胞とメサンギウム細胞毛細血管では内皮細胞を血管壁細胞としての周皮細胞が手助けする。腎臟の糸球体では、同じ役割をメサンギウム細胞が担っている。AGEが作用するのは、サポート役の周皮細胞やメサンギウム細胞である。
もう一つは、糖尿病の患者さんは動脈硬化を起こしやすい血管がつまる脳血管障害が多いため、の血流、栄養が途絶えて細胞が死んでしまい、ぼけるのが早いというもの。
脳細胞へつまり糖尿病の患者さんは二重に認知症になりやすいといえます。
さらに最近は認知症に、インスリンの働きも関係することがわかってきました。

インスリンは細胞にブドウ糖を運ぶ自動車のような役目をしていると言いましたよね。糖尿病の患者さんでは生まれつきインスリンの分泌が少ない人もいますが、大人になってから起こる生活習慣がゆがんだタイプの糖尿病では、インスリンをどんどん分泌しても、うまくブドウ糖を運べない、インスリンに対する抵抗性が強い人がいます。実は、このようなタイプの糖尿病患者では、インスリンがふつうの方より多く分泌されています。つまり、働きが悪いのでなんとかしようと膵臓の細胞が頑張ってインスリンを代償的に多く出そうとしているわけです。
過剰なインスリンに細胞が常にさらされていると、このインスリンを代謝する系も活発になってきます。
まり、これらの細胞ではインスリンを分解する働きのある物質、インスリン分解酵素がつくられます。
つ代謝して、細胞が円滑に機能できるようにしていこのインスリン分解酵素が、多すぎるインスリンを分解、るのです。
アミロイドを分解する働きもあところが実は、インスリン分解酵素にはインスリンを分解するだけでなく、ります。
老化のメカニズム人はなぜ

ストレスをうまく処理できません。したがって糖尿病では、インスリンの分解、代謝のために分解酵素が使い果たされてしまう。
アミロイドを分解するほうに酵素が回ってこないので、アミロイドがどんどん沈着して老人斑が広がるというわけです。
認知症の進行につながります。
よ腎臓に与える影響-腎臓病年をとってくると腎臓の働きも弱ってきます。これにもAGEが関係しています。
腎臓の構造を見ると、外側の皮質と呼ばれる部分には無数の毛細血管がはりめぐらされています。
ここで血ろか液が濾過され、尿がつくられます。
腎糸球体
と呼ばれる固まりを構成していま毛細血管は四つぐらいが束になってもう少し詳しくいうと、この四つの毛細血管の周りをぐるりと囲んで一つのかたまりにしているのがコラーゲンです。

ンにAGE化が襲いかかってくるのです。
このコラーゲ腎臓の糸球体の場合、内皮細胞はたった一枚のきわ毛細血管は内皮細胞という細胞におおわれていますが、めて薄いペランペランの膜でおおわれているだけ。
ふつう大きな動脈ともなると、内皮細胞の外側を平滑筋細胞がおおい、さらに周囲を外膜の細胞がとりまいて、何層もの細胞で厚く保護する構成になっています。心臓から出される勢いのいい血圧に血管が耐えられるように厚い弾力性に富む構造になっているのです。この血管の弾力性というか、血管としてのしなやかさがなくなり硬くなっていく状態が動脈硬化でした。
一方、腎臓の毛細血管は1枚の内皮細胞がおおっているだけ。
とても脆弱です。
そのため内皮細胞にはメサンギウム細胞というサポート細胞がマンツーマンで張りついています。目と脳の毛細血管です。
図9
やはり内皮細胞の膜は1層だけで、腎臓の毛細血管と同じ構造をしているのが、メサンギウム細胞に相当する周皮細胞というサポート細胞が1つずつ張りついてガードしています。つまり腎臓と目と脳の毛細血管は、依存して生きているわけです。

病気になってしまうでしょう。


その役割を果たすために、外側の周皮細胞やメサンギウム細胞にかなり坂道を転げ落ちるように進むカスケード
ここで血管の周囲を囲むように支えているコラーゲンが糖化して、AGEになったとします。すると毛細血管を外側で保護していた細胞、目や脳でいうと周皮細胞、腎臓でいうとメサンギウム細胞がまっ先に影響を受けるすなわち、細胞の表面にある受容体RAGEがAGEに反応して、例のAGE-RAGE複合体が活性化する。このモンスターの酸化攻撃で、メサンギウム細胞や周皮細胞はバタバタと死んでいきます。ガードを失った内皮細胞はひとたまりもありません。たちまち毛細血管がもろくなり、いびつに広がったり、血管の中に血栓ができたりして、腎臓や網膜への血液の流れが途絶えて障害が起こってくるわけです。
目でいえば眼底出血、脳でいえば脳梗塞、の働きが落ちて尿が出なくなる。
腎臓でいえば、血管がつまって血液の濾過ができなくなり、腎臓ガード役を失って、坂道を転げ落ちるように状態が悪化していく。糖尿病で腎臓なり網膜なりの毛細血管がとくに障害されやすいのは、血管内皮細胞をサポートしている周皮細胞やメサンギウム細胞などの壁細胞外側にある細胞が、AGE-RAGE複合体によって障害を受け、毛細血管が支えを失い、機能を維持できなくなることが関係しているようです。
周皮細胞は、目や脳の毛細血管に最も多く存在するため、その分これらの臓器では、周皮細胞がやられたときのダメージが大きいと考えられます。
つまり、糖尿病→コラーゲンのAGE化→AGE-RAGE複合体の活性化→周皮細胞やメサンギウム細胞などの壁細胞の障害→内皮細胞の破綻腎障害、眼底出血、脳梗塞といった一連のカスケードがあるようです。AGE化を止めなければ、カスケードを断ち切ることができず、すから、治療が急務となるわけです。いずれ臓器障害が起こるのは時間の問題で肝臓に与える影響-非アルコール性脂肪性肝炎NASHひと昔前まで肝臓が悪くなるのは、大酒飲みだというのが定説でした。
年をとってから肝臓病になる。
認知症専門病棟で回診と当直を担当したのです。

病気が受け入れられなくなります。

細胞が崩れていくという感じ自業自得だと若いころから酒を飲みつづけるとでも三〇年ほど前から、お酒を飲まないのに、は一滴もお酒を飲まないのに、肝障害が起きて、太った人で肝臓が壊れていく患者さんが目立ち始めた。
肝硬変からがんになる人もいます。中にこの肝臓病にもAGEがからんでいることが、最近わかってきましたアルコールも飲まないのに肝臓病になるのは、太った人に多い肥満が肝臓病に関係があるらしい、というところから、犯人の正体が少しずつわかってきたのです。
そのしくみはこうです。まず栄養過多になると、肝臓に脂肪が沈着して脂肪肝になる。
ふつうはそこで止まるのですが、何かひと押しがあると、そこに激しい炎症が加わって、脂肪肝から肝炎肝硬変、肝がんへ移行する進行性の病気になるこの病気は「非アルコール性脂肪性肝炎」NASH(Nonalcoholicsteatohepatitis)と名付けられました。

そして単純な脂肪肝からNASHになる、そのひと押しにAGEが関わっているらしいその証拠を私たちの研究チームはつかみました。
肝臓の細胞にAGEをふりかけたのです。
するとNASHに特徴私たちがどんな研究をしたのかというと、的な激しい炎症や線維化が起きました肝臓のどんな細胞にかけたのかといいますと、血管の周りにある星細胞というものです。この細胞は何を隠そう、腎臓のメサンギウム細胞、あるいは目や脳の周皮細胞の肝臓版に当たる細胞、いわゆる壁細胞です。
目の周皮細胞がやられると網膜症になる。腎臓のメサンギウム細胞がやられると腎症になる。肝臓で星細胞がやられると、激しい炎症を起こして、NASHになり、肝硬変になる。

老化のメカニズム人はなぜ

ホルモンのバランスの乱れなどによって

薬というのは根本的

いずれも毛細血管の内皮細胞をガードするサポート細胞がやられたために一連の気が進行していくようです。
カスケードが働き、病ただの脂肪肝とNASHの見分け方とは?
次に私たちが何を試みたのかというと、NASHなのか、ただの脂肪肝なのかを見分ける方法です。
私たちが臨床の場で一番知りたいことは、目の前の患者さんの状態が進行するNASHなのか、それともただの脂肪肝かの診断ですNASHならカスケードが進んでいますから、すぐに手を打たなければいけません顕微鏡でその細胞の状態を見るしかない。
しかし、それでは患者さでもそれを調べるには肝臓に針をさし、んの負担があまりに大きすぎます。
そこでトリガーであるAGEを調べれば、NASHかどうかがわかるかもしれない、と考えました。
そして一00人くらいの患者さんを集めてAGEを測ってみたのです。
思った通り!見事に相関関係が出てでもNASHだった人は、ある程度の確率でNASHかどうかがわかる。
AGEの値が高かった。
これは、きました。AGEが少ない人は単なる脂肪肝でした。
その後の患者さんの血液のAGE量を測定すれば、治療を考える上で大切な情報となりましたさらにこの研究で思わぬこともわかりました。血液の中には血管を若々しく保つアディクポネクチンという善玉物質があります。脂肪細胞からつくられる物質で、老化を予防する効果があるついでにアディクポネクチンの量を測ってみたところ、が少なかったのです。
AGEの値が高い人はこのアディクポ、ネクチンの量憎らしいことに、AGEはアディクポネクチンの産生もブロックしていた悪い作用にはとことん加担し、よい働きはとことん妨害する。
ホルモンのバランスの乱れなどによって

DNAを傷つけて

AGEは本当に始末に負えない物質です。メタボとAGEアディクポネクチンが出てきたところで、メタボとAGEの関連についてお話ししましょう。もう市民権を得たメタボという言葉、実は「メタボリック·シンドローム」の略です。この概念はかなり古くからあります。一九二三年、すでにスウェーデンの医師により、高血圧、高血糖、高尿酸血症進むと通風を起こしますが肥満患者に多いことが報告されています。その後、紆余曲折をへて、肥満とくにお腹周りに脂肪がついた内臓肥満があると、高血圧、高血糖、脂質異常症などの合併頻度が高くなり、心筋梗塞や脳梗塞などの血管系の病気を起こしやすくなることがわかってきました。
内臓脂肪型肥満があり、高血圧、高血糖、脂質異常症のうちの二つ以上が重なっている状態をメタボリック·シンドロームといい、一つだけの場合を予備軍と呼びます(現在の日本でのメタボリック·シンドロームの診断基準を示します)。現在、日本人男性の二0S二五%、女性の五S-O%くらいがメタボリック·シンドロームに該当すると言われています。
内臓脂肪からは血圧を上げたり、インスリンの働きを阻止したりする物質がたくさん分泌されます。
そのため、高血圧となったり、インスリンの効きが弱くなり血糖値の上昇や中性脂肪の上昇を起こすようになるわけです。そして、この内臓脂肪からは、善玉の物質アディクポネクチンがあまり産生されないこともわかってきました。早い話、内臓型肥満の脂肪細胞は悪玉化し、インスリンの作用をブロックする方向、動脈硬化を押し進める方向にシフトするわけです。
そして、この脂肪細胞の悪玉化にAGEが一役買うわけです。AGEは、脂肪細胞にあるRAGEにくっついて、アディクポネクチンの産生を抑えます。脂肪細胞に炎症反応を引き起こして、インスリンの働きを阻害する物質を産生させるようになるのです。
実際、太ったネズミにAGEの形成、蓄積を抑える薬物を投与するとメタボの異常があらわれるのを抑えることができます。

 

うつで社会に生きようとしない人がけっこういるからでしょう。

うつだから何もできないのですまた、私どもが行った調査では、血液中のAGEがたまった人ほどメタボの異常が強いこともわかりました。
これまでAGEは、糖尿病になり高血糖になるとつくられると考えられていたわけですが、実は、メタボのかなり早い時期から体の中でつくられ、悪さをし始めるようです。そしてそのAGEが、さらに病気を進行させる。メタボになれば、脂肪肝からNASH、肝硬変へ進行していく可能性も大となります。悪の連鎖を断ち切るべく、早め早めの対応が必要となってくるわけです。
がんとAGE最新の研究では、がんにもAGEが関係しているのではないかと言われています。
糖でいた期間が長かった人ほど、がんの発症率が高い傾向があるからです。
なぜなら、いままで高血糖尿病の患者さんががんになる確率は、と関係するなら、ふつうの人の1-11倍。
その発症にAGEが関わっているのではないか、血糖値が高く、と考えるのは当然です。

その期間が長い人ほどがん最新の研究では、糖尿病でがんになる理由について三つほど仮説が提示されています。まずその一。AGE犯人説ですAGEがAGE-RAGEとなって、何らかの作用を及ぼしているのではないか。
そこで私たちはいくつかの培養細胞を使って、がんとAGEの関係を調べてみました。
たとえば膵臓がんや悪性黒色腫ほくろのがん細胞に、タンパク質が糖化したAGEをふりかけてみる。
すると、俄然がん細胞が増えだして、転移しやすくなります。ほくろのがんを背中に植えつけたネズミを使った実験も行いました。
通常、ほくろのがんを植えつけまた、られると、がんが肺に転移して、三カ月でみな死んでしまいます。
図11でいえば白い丸が死んでしまったネズミです。
ところが同じように背中にがんを植えつけたネズミに、AGEが受容体RAGEに入り込めないような化合物を与えてみた。
要するに治療をしたわけです。
それが黒い丸のネズミです。。

健康に過ごすため

ホルモンも分泌してるんですよやく

治療薬投与群

ほくろのがんを植えつけたネズミの運命悪性黒色腫ほくろのがんを植えつけたネズミのAGEシグナルをブロックする治療薬を与えると、腫瘍の増大が抑えられ、生存率も高まる!

  • は治療薬を投与、○は何もしなかったもの対照群
  • 黒いほうは1割くらい。
    しかも1匹も死なないこの実験から何がわかったのかというと、AGE-RAGEの複合体が、がんの増殖や転移に関わっているのではないかという可能性です。

    さらに、私は前に、タバコをやめてからも一定の期間は肺がんや心筋梗塞のリスクは高いまま残る、つまり過去のツケ喫煙歴を引きずってしまうことをお話ししました。糖尿病の血管合併症の場合と同様に記が存在すると。
    この事実も、AGE犯人説を支持する結果です。
    ということはAGEを減らす、あるいはAGE-RAGEの活性化を抑える薬や方法によって、がんは防げる。
    あるいは転移や増殖をコントロールできるかもしれません。
    明るい希望が少し見えてきましたね。
    私は、糖尿病と循環器、老年病の専門家で内科医です。がんの治療に直接携わることはほとんどありません。
    でも、私が外来で診ている糖尿病やメタボの患者さんの中にはがんを抱えた患者さんが多くいらっしゃいます。漠然とした印象ですが、とくに、乳がんと大腸がんが多い気がします。

    症状が重くなる前に上司に相談することはとても大事。


    このがんの分野でも、AGE-RAGEを標的に新しい診断や治療法が開発されればいいと感じています。がんの専門医とも最近、少しずつ研究の場で交流を持ち始めています。
    インスリンとがんとの関連は?
    がんになる二つめの仮説。インスリン関与説です。糖尿病になると、インスリンがいくら出ても細胞がブドウ糖をとりこめない。これを「インスリンに対して抵抗性がある」と言いました。
    栄養分のブドウ糖がとりこめないので、体中の細胞は飢餓状態におちいっています。なんとかしようと頑張って膵臓の細胞はインスリンを出しつづけるわけです。
    体の中は、高インスリン血症、つまりインスリンの血中レベルが高い状態になっています。
    ところが、がん細胞だけがインスリンに対する抵抗性がなかったらどうでしよう。インスリンには、細胞を増殖させる働きもありますから、がん細胞は増えつづけるかもしれません。がん細胞には、どんどん糖をとりこんだり、血管を呼びこんだりして、栄養を独り占めする傾向が知られています。
    何となく関連性がある感じもし肥満→メタボ型糖尿病0インスリン抵抗性0高インスリン血症0がん......。
    ます。この仮説が出されてから、糖尿病の患者さんの間ではインスリン治療を長く行うとがんになるのではないかという不安の声が上がり始めました一昨年前くらいから論争になってきています。でも、インスリンを使わなければコントロールできないほどひどい糖尿病患者だから、がんの頻度が高いのか、それともインスリン治療そのものに問題があるのか?厳密な意味でよくわからない。
    老化のメカニズム人はなぜ

    薬や女性

    医療分野です。それにインスリン抵抗性があり、高インスリン血症の方には、が多く、そもそも生活習慣がゆがんでいて、そのためにがんが多いだけかもしれないメタボで肥満の方要するに、「高インスリン血症0がん」という仮説には、直接的な証拠がないわけです。ただ、これまでに報告された多くのデータや論文を見てみると、インスリン治療そのものには、「まず悪影響はないだろう」というのが大方の見方です。インスリンを使っている糖尿病の患者さんは、くれぐれも勝手に怖がってインスリンの注射をやめないでください。主治医の先生とよく相談されて個々の病状に合った治療を継続されていかれることが一番です。いま、若干触れましたが三つめの仮説は肥満説です。
    ロファージがやってきて、脂肪細胞に攻撃を仕掛けます。
    な炎症状態になっています。
    脂肪細胞が脂肪を蓄えて大きくなりすぎると、マクそのとき炎症反応が起きるので、肥満の人は慢性的炎症性の物質が体中に放出され、そのストレスががんをつくる、増やすという説です。また、肥満患者の背景にある生活習慣もがんの発症に関わりうることは先に述べたとおりです。つまり、肥満になるような生活習慣は、糖尿病にもがんにも悪い。
    そのため、糖尿病とがんには直接的な因果関係はないけれど、二つの病気は同時に存在する確率が高いという可能性もあるわけです。
    以上、糖尿病とがんとの関連についていま現在、提唱されている仮説を簡単に説明しました。でも、最近行われた研究では、糖尿病患者のがんのリスクが、ほかのメタボや炎症、肥満という因子とは独立して、高血糖という要因だけでうまく説明できることもわかってきました。糖尿病でがんが起こりやすくなる過程の一部にAGEが関わっていることは十分に考えられます。
    AGEが減ると長寿遺伝子が活性化する本章の冒頭で、皮膚の老化の話題を取り上げた際に長寿の話をしたのを、ご記憶でしょうか。
    線虫、ショウジョウバエから始まって、マウス、ラット、サルまで、すべての生物で、腹七分目、八分目にすると、寿命が延びることがわかっています。