健康に過ごすため

細胞分裂が盛ん

治療しないと慢性化

でも油でカラッと揚げた揚げ物や、こんがり焼いた肉はとてもおいしそうですねもともとAGEは味や風味に関わっているので、AGE化された食べ物は食欲をそそります。ですから一番いいのは、AGEをたくさん食べても、体内に吸収されなければいいわけです。
そうすれば私たちはおいしいものを心おきなく食べながら、AGEの障害からも逃れられるというわけです。そこで私たちの研究グループは、AGEを腸管レベルで吸着して、コーティングしてしまい、そのまま便として排泄してしまうようなものを探してみました。
いままでいろいろな物質を試してみたのですが、人の臨床でも効果が出ているものが一つだけありましたそれが活性炭です。

AGEの吸着率

AGEをどれだけ吸着するか調べると、キチンが圧倒的に吸着率が高いことがわかる。

化学会社が、医療業界に参入してきて、人の体に使える活性炭を開発したのです。
商品名はクレメジンといい、腎臓が悪い透析一歩手前の患者さんに使われている薬です。
この薬の本体は炭ですが、ものすごく細かな穴が開いていて、穴の中にいろいろなものをとりこんで吸着できるしくみになっています。
腎臓の働きが衰えている患者さんは、体外に出してしまいます。
悪い物質が体内にたまってしまうので、それをクレメジンが吸着してこの炭の穴にAGEの分子も入りこんで、体にとりこまれずに一緒に外に出されてしまうのです。
私たちは透析手前の患者さんに実際にクレメジンを飲んでもらい、三カ月たってAGEの量を調べてみました。
すると血中のAGEの値が、なんと三OS四〇%も低下したのです。このクレメジンには、後発メーカーがつくった同じ成分の薬がありますが、の低下作用は期待できないようです。

薬を飲ん

薬が最もポピュラー

面白いことにその薬ではAGE調べてみたら、穴が大きすぎてAGEがすり抜けてしまい、吸着できないのが原因でした。
成分は同じでもAGEをつかまえるためには、穴の大きさが問題だったのです。
カニやエビの殻もAGEをつかまえるクレメジンと同じ効果がある物質がほかにもあります。それは、キチンとキトサンです。
キチン、キトサンはカニやエビなど甲殻類の殻に多く含まれている物質です。食物繊維の一種で、海藻やこんにやくやセルロースと同じように、血糖値のはね上がりを抑える働きがあることで注目されていたのですが別の効用があることもわかってきました。
AGEを吸着する作用です表4。AGEの吸着率を見てみると、なんとキチンが六四%!
が三〇%ですから、キチン、キトサンの働きがいかにすごいかがわかります。
ただし、これらの実験データはあくまで試験管の中の結果です。クレメジンは人である程度、結果が出ていますが、キチン、キトサンが本当に人間の体内でAGEを吸着してくれるかどうかは未知数です。
アレルギーの問題もあります。

カニやエビの殻がいいからといって、甲殻類にアレルギーのある方には、毎日食べられるものではありませんし、もちろん使えません。
また唯一、人間で効果が立証されているクレメジンも、AGEの治療薬として認められているわけではありません。
投与後の日数図13治療薬アカルボースによる心筋梗塞の発症抑制効果アカルボースとプラセボを与えて、心筋梗塞の発症例を調べた。あくまで重い腎臓病の患者さんのための治療薬ですから、す薬としては使えません。
いまのところ食べてしまったAGEを減らやはりAGEはなるべく口から入れないほうがよい。高温で加熱したものや焼き色がついた食べ物ばかり好んで食べることはしないようにしたほうがいいでしょう。

 

病気と戦える態勢になるということです。

免疫が必要になったやくブドウ糖の吸収を抑える薬クレメジンやキチン、キトサンは、口から食べてしまったAGEを体外に出す働きをする物質でした。
り外からとりこんだAGEをそのまま外に出してしまう方法です。
つま一方、体内でAGEがつくられるのをブロックして、それ以上AGEを増やさないという方法もあります。
内科の臨床の場では、こちらのアプローチでつくられた薬がいくつかあります。
そのうちの一つは、腸でブドウ糖が吸収されるのをブロックする薬で、α-グルコシターゼ阻害薬といわれています。食事に伴うブドウ糖の吸収がゆっくりになれば、血液中のブドウ糖濃度の上昇も緩やかになります。
して、タンパク質が糖化するAGE化も起こりにくい、というしくみです。
結果とα-グルコシターゼ阻害物質は、前のページで取り上げた桑の葉茶や、アガリクスなどのお茶やキノコ類に含まれています。
こうしたお茶やキノコ類を食後にとることで、AGE化を防げるかもしれない、という話をしましたねその成分をさらに化学的に合成したのがα-グルコシターゼ阻害薬の一つ、れは現在、糖尿病の治療薬として使われています。アカルボースという薬です。
こ私たちは、この薬を一度も飲んだことのない糖尿病患者さんに三カ月間飲んでもらい、が下がることを見つけています。
血中のAGEレベルさらに、この薬を飲ませた欧米の患者さんたちのデータを見ますと、心筋梗塞の発症率が低いという結果も出ています図13
薬を飲まない方と比べて、飲んだ人は心筋梗塞の非発生率AGE-RAGE
の複合体の活性化を妨害するAGEが体内にダメージを与えるのは、主に細胞にある受容体RAGEとくっついたときですAGEがRAGEにくっついても、AGE-RAGEの複合体が活性化され、酸化ストレスのビームを出さないようにする薬があれば、AGEの影響がかなり抑えられます。

神経の働きやく

うつになっているときそういう作用がいくつかの血圧を下げる薬やコレステロールを低下させる薬で認められています。
コレステロールを下げるために使われているスタチンという薬。
たとえばこの薬を飲んでいると、AGE-RAGE
によって発生する酸化ストレスが抑えられ、血管がボロボロになるのを防ぎます。
しかし、あくまでコレステロールを下げるために用いられているので、AGE治療薬として保険診療を使うことはできません。
また、前に触れた高血圧に関わる因子、「レニン-アンジオテンシン系」
RAGE系をブロックする作用がありそうです。

を抑える降圧薬には、AGE新しく出てきた薬としては、糖尿病患者に使うインクレチン製剤DPP-4という酵素を阻害して、インスリンの分泌を高める薬ですが、この薬にRAGEの数を減らす働きがあることが動物レベルで確認されています。また、AGEがRAGEにくっつくのを阻害するような薬の開発も米国の製薬会社によって進められています。AGEを分解する薬もあるいわゆるAGEブレイカーです。
最近、注目を集めているのがいったんできたAGEを分解する薬、ブリウムという薬があります。
アラゲこの薬を投与された患者さんは血管がしなやかになり、勃起不全が改善したという報告があります。
心臓の動きもよくなったり、男性の性機能障害EDただ開発段階で、人には副作用がありませんでしたが、高濃度でネズミに投与したときに、肝臓の障害が出てしまいました。
これ以上、人を使って臨床研究を広げるべきかどうか、議論されている最中です。

ホルモン受信機について勉強してき


現時点では、研究は止まったままですAGEを分解するというアイディアは魅力的ですので、別のタイプの薬の開発が待たれています。腸内細菌がAGEに関係する?
最新の研究では、ています。腸内細菌がメタボや心筋梗塞に影響を与えているのではないか、という説が注目され始めというのも、肥満を起こしやすい腸内細菌とそうではないものがあることがわかってきたからです。
たとえば太ったネズミの腸にあった細菌を、やせているネズミに雙こむと肥満になるという実験もあります。
生まれつき太りやすい人とそうでない人がいるのも、どうやらこの腸内細菌が関係するらしい。
ですから今後はこうした腸内細菌が、食事からとったAGEにどんな作用を与えるのかというのも、興味深いテーマです。
ぜひ、着手したいと考えているテーマの一つです。
ここで一つ問題が浮上するのは、抗生物質の乱用です。日本では単なる風邪でも抗生物質が使われています。
鼻水が出たり、痰に少し色がついたぐらいで、平気で抗生物質を出してしまう。また、患者さんもそれを希望する。
でも実際は、痰の色と細菌感染はまったく関係がないという報告もあります。

予防的に抗生物質を出すと、腸内の細菌は一気に様変わりします。
き残った細菌だけで、腸内を占拠してしまう。
ふつうの腸内細菌は全部死ぬ。
そして生もちろんそのあと、少しずつほかの腸内細菌が回復してきたとしても、勢力図は変わってしまいます。
腸内細菌の入れ替わりが将来的に、メタボや心筋梗塞になりやすい体質に変えてしまっていないかどうか。
やはり注意深く見ていかなければいけない問題だと思います。
ちなみに風邪の患者が来ただけで右往左往するような医者なので、頼りなく能力のない医者をやぶ医者
と呼ぶようになりました。
私たちには、耳にしたくない言葉の一つです。
クロノテラピー時間医学という考え方生命は時間に刻まれて生きています。人間の場合は二五時間ぐらいの周期で生きています。

薬を飲ん

認知症以外

神経が乱れるのでしょう。よって、起きてくる生理現象が異なってくる。
すると時間帯にお産は早朝に多いし、ぜんそくは朝方に起きやすい。
歯痛もだいたい朝方です。
腎臓結石は午前111時くらい。
心筋梗塞はだいたい朝の九時くらいに集中しています。
そこで、時間帯を考慮して治療していこうという考え方が生まれてきました。
この考え方でいくと、抗がん剤は夜飲むほうがいいのではないか。なぜなら、がん細胞は夜、増殖しているらしいからです。
食事も吸収率は夜のほうが高いので、ています。
朝食を多くとって、夜は軽めにしたほうがいいといったことも言われ体内でAGEができやすい時間帯、吸収しやすい時間帯など、れば、いまよりもっと研究が進むかもしれません。
AGEについても時間医学の考え方を導入す。いずれにしても、治療法を開発していくには、もう少し症例を増やして研究していかなければなりません。
AGE阻害薬が臨床の場に出てくるには、あと五年から一〇年、あるいはそれ以上かかるかもしれません。
私が現役の間に、そういった現場を目にできればいいと思っています。
それまでは、AGEをためないような生活習慣をつづけることです。

私たちにできることは、食事にともなって血糖値が上がるのを防ぐ食習慣、あるいは運動習慣を身につけることです。
またファーストフードや揚げ物など、生活習慣は変えることができます。
極端に偏った食生活は是正する。
ちょっとした工夫でこうした食習慣小さな積み重ねですが、それが集まって大きな差となります。いつまでも若々しくいられるか、急激に老化を早めるか。日々のAGEに対する気配リが何年後かのあなたを決めるといっても言い過ぎではありません。
前のページのまとめAGE対策に的をしぼった物質や食べ物探し、の個別の症状に対するング法である。
薬の開発の取り組みがすでに始まっている。
新しいタイプのこれは、従来アンチエイジ対処法
と異なり、総合的な老化対策となりうる、AGEを吸着して排泄する活性炭や、が進んでいるAGEを分解する候補薬など、具体的な手法が検討され、臨床研究AGEに対する個人差
も今後、取り組むべき新しい研究テーマである。