老化のメカニズム人はなぜ

ホルモンのバランスの乱れなどによって

薬というのは根本的

いずれも毛細血管の内皮細胞をガードするサポート細胞がやられたために一連の気が進行していくようです。
カスケードが働き、病ただの脂肪肝とNASHの見分け方とは?
次に私たちが何を試みたのかというと、NASHなのか、ただの脂肪肝なのかを見分ける方法です。
私たちが臨床の場で一番知りたいことは、目の前の患者さんの状態が進行するNASHなのか、それともただの脂肪肝かの診断ですNASHならカスケードが進んでいますから、すぐに手を打たなければいけません顕微鏡でその細胞の状態を見るしかない。
しかし、それでは患者さでもそれを調べるには肝臓に針をさし、んの負担があまりに大きすぎます。
そこでトリガーであるAGEを調べれば、NASHかどうかがわかるかもしれない、と考えました。
そして一00人くらいの患者さんを集めてAGEを測ってみたのです。
思った通り!見事に相関関係が出てでもNASHだった人は、ある程度の確率でNASHかどうかがわかる。
AGEの値が高かった。
これは、きました。AGEが少ない人は単なる脂肪肝でした。
その後の患者さんの血液のAGE量を測定すれば、治療を考える上で大切な情報となりましたさらにこの研究で思わぬこともわかりました。血液の中には血管を若々しく保つアディクポネクチンという善玉物質があります。脂肪細胞からつくられる物質で、老化を予防する効果があるついでにアディクポネクチンの量を測ってみたところ、が少なかったのです。
AGEの値が高い人はこのアディクポ、ネクチンの量憎らしいことに、AGEはアディクポネクチンの産生もブロックしていた悪い作用にはとことん加担し、よい働きはとことん妨害する。
ホルモンのバランスの乱れなどによって

DNAを傷つけて

AGEは本当に始末に負えない物質です。メタボとAGEアディクポネクチンが出てきたところで、メタボとAGEの関連についてお話ししましょう。もう市民権を得たメタボという言葉、実は「メタボリック·シンドローム」の略です。この概念はかなり古くからあります。一九二三年、すでにスウェーデンの医師により、高血圧、高血糖、高尿酸血症進むと通風を起こしますが肥満患者に多いことが報告されています。その後、紆余曲折をへて、肥満とくにお腹周りに脂肪がついた内臓肥満があると、高血圧、高血糖、脂質異常症などの合併頻度が高くなり、心筋梗塞や脳梗塞などの血管系の病気を起こしやすくなることがわかってきました。
内臓脂肪型肥満があり、高血圧、高血糖、脂質異常症のうちの二つ以上が重なっている状態をメタボリック·シンドロームといい、一つだけの場合を予備軍と呼びます(現在の日本でのメタボリック·シンドロームの診断基準を示します)。現在、日本人男性の二0S二五%、女性の五S-O%くらいがメタボリック·シンドロームに該当すると言われています。
内臓脂肪からは血圧を上げたり、インスリンの働きを阻止したりする物質がたくさん分泌されます。
そのため、高血圧となったり、インスリンの効きが弱くなり血糖値の上昇や中性脂肪の上昇を起こすようになるわけです。そして、この内臓脂肪からは、善玉の物質アディクポネクチンがあまり産生されないこともわかってきました。早い話、内臓型肥満の脂肪細胞は悪玉化し、インスリンの作用をブロックする方向、動脈硬化を押し進める方向にシフトするわけです。
そして、この脂肪細胞の悪玉化にAGEが一役買うわけです。AGEは、脂肪細胞にあるRAGEにくっついて、アディクポネクチンの産生を抑えます。脂肪細胞に炎症反応を引き起こして、インスリンの働きを阻害する物質を産生させるようになるのです。
実際、太ったネズミにAGEの形成、蓄積を抑える薬物を投与するとメタボの異常があらわれるのを抑えることができます。

 

うつで社会に生きようとしない人がけっこういるからでしょう。

うつだから何もできないのですまた、私どもが行った調査では、血液中のAGEがたまった人ほどメタボの異常が強いこともわかりました。
これまでAGEは、糖尿病になり高血糖になるとつくられると考えられていたわけですが、実は、メタボのかなり早い時期から体の中でつくられ、悪さをし始めるようです。そしてそのAGEが、さらに病気を進行させる。メタボになれば、脂肪肝からNASH、肝硬変へ進行していく可能性も大となります。悪の連鎖を断ち切るべく、早め早めの対応が必要となってくるわけです。
がんとAGE最新の研究では、がんにもAGEが関係しているのではないかと言われています。
糖でいた期間が長かった人ほど、がんの発症率が高い傾向があるからです。
なぜなら、いままで高血糖尿病の患者さんががんになる確率は、と関係するなら、ふつうの人の1-11倍。
その発症にAGEが関わっているのではないか、血糖値が高く、と考えるのは当然です。

その期間が長い人ほどがん最新の研究では、糖尿病でがんになる理由について三つほど仮説が提示されています。まずその一。AGE犯人説ですAGEがAGE-RAGEとなって、何らかの作用を及ぼしているのではないか。
そこで私たちはいくつかの培養細胞を使って、がんとAGEの関係を調べてみました。
たとえば膵臓がんや悪性黒色腫ほくろのがん細胞に、タンパク質が糖化したAGEをふりかけてみる。
すると、俄然がん細胞が増えだして、転移しやすくなります。ほくろのがんを背中に植えつけたネズミを使った実験も行いました。
通常、ほくろのがんを植えつけまた、られると、がんが肺に転移して、三カ月でみな死んでしまいます。
図11でいえば白い丸が死んでしまったネズミです。
ところが同じように背中にがんを植えつけたネズミに、AGEが受容体RAGEに入り込めないような化合物を与えてみた。
要するに治療をしたわけです。
それが黒い丸のネズミです。。

健康に過ごすため

ホルモンも分泌してるんですよやく

治療薬投与群

ほくろのがんを植えつけたネズミの運命悪性黒色腫ほくろのがんを植えつけたネズミのAGEシグナルをブロックする治療薬を与えると、腫瘍の増大が抑えられ、生存率も高まる!

  • は治療薬を投与、○は何もしなかったもの対照群
  • 黒いほうは1割くらい。
    しかも1匹も死なないこの実験から何がわかったのかというと、AGE-RAGEの複合体が、がんの増殖や転移に関わっているのではないかという可能性です。

    さらに、私は前に、タバコをやめてからも一定の期間は肺がんや心筋梗塞のリスクは高いまま残る、つまり過去のツケ喫煙歴を引きずってしまうことをお話ししました。糖尿病の血管合併症の場合と同様に記が存在すると。
    この事実も、AGE犯人説を支持する結果です。
    ということはAGEを減らす、あるいはAGE-RAGEの活性化を抑える薬や方法によって、がんは防げる。
    あるいは転移や増殖をコントロールできるかもしれません。
    明るい希望が少し見えてきましたね。
    私は、糖尿病と循環器、老年病の専門家で内科医です。がんの治療に直接携わることはほとんどありません。
    でも、私が外来で診ている糖尿病やメタボの患者さんの中にはがんを抱えた患者さんが多くいらっしゃいます。漠然とした印象ですが、とくに、乳がんと大腸がんが多い気がします。

    症状が重くなる前に上司に相談することはとても大事。


    このがんの分野でも、AGE-RAGEを標的に新しい診断や治療法が開発されればいいと感じています。がんの専門医とも最近、少しずつ研究の場で交流を持ち始めています。
    インスリンとがんとの関連は?
    がんになる二つめの仮説。インスリン関与説です。糖尿病になると、インスリンがいくら出ても細胞がブドウ糖をとりこめない。これを「インスリンに対して抵抗性がある」と言いました。
    栄養分のブドウ糖がとりこめないので、体中の細胞は飢餓状態におちいっています。なんとかしようと頑張って膵臓の細胞はインスリンを出しつづけるわけです。
    体の中は、高インスリン血症、つまりインスリンの血中レベルが高い状態になっています。
    ところが、がん細胞だけがインスリンに対する抵抗性がなかったらどうでしよう。インスリンには、細胞を増殖させる働きもありますから、がん細胞は増えつづけるかもしれません。がん細胞には、どんどん糖をとりこんだり、血管を呼びこんだりして、栄養を独り占めする傾向が知られています。
    何となく関連性がある感じもし肥満→メタボ型糖尿病0インスリン抵抗性0高インスリン血症0がん......。
    ます。この仮説が出されてから、糖尿病の患者さんの間ではインスリン治療を長く行うとがんになるのではないかという不安の声が上がり始めました一昨年前くらいから論争になってきています。でも、インスリンを使わなければコントロールできないほどひどい糖尿病患者だから、がんの頻度が高いのか、それともインスリン治療そのものに問題があるのか?厳密な意味でよくわからない。
    老化のメカニズム人はなぜ

    薬や女性

    医療分野です。それにインスリン抵抗性があり、高インスリン血症の方には、が多く、そもそも生活習慣がゆがんでいて、そのためにがんが多いだけかもしれないメタボで肥満の方要するに、「高インスリン血症0がん」という仮説には、直接的な証拠がないわけです。ただ、これまでに報告された多くのデータや論文を見てみると、インスリン治療そのものには、「まず悪影響はないだろう」というのが大方の見方です。インスリンを使っている糖尿病の患者さんは、くれぐれも勝手に怖がってインスリンの注射をやめないでください。主治医の先生とよく相談されて個々の病状に合った治療を継続されていかれることが一番です。いま、若干触れましたが三つめの仮説は肥満説です。
    ロファージがやってきて、脂肪細胞に攻撃を仕掛けます。
    な炎症状態になっています。
    脂肪細胞が脂肪を蓄えて大きくなりすぎると、マクそのとき炎症反応が起きるので、肥満の人は慢性的炎症性の物質が体中に放出され、そのストレスががんをつくる、増やすという説です。また、肥満患者の背景にある生活習慣もがんの発症に関わりうることは先に述べたとおりです。つまり、肥満になるような生活習慣は、糖尿病にもがんにも悪い。
    そのため、糖尿病とがんには直接的な因果関係はないけれど、二つの病気は同時に存在する確率が高いという可能性もあるわけです。
    以上、糖尿病とがんとの関連についていま現在、提唱されている仮説を簡単に説明しました。でも、最近行われた研究では、糖尿病患者のがんのリスクが、ほかのメタボや炎症、肥満という因子とは独立して、高血糖という要因だけでうまく説明できることもわかってきました。糖尿病でがんが起こりやすくなる過程の一部にAGEが関わっていることは十分に考えられます。
    AGEが減ると長寿遺伝子が活性化する本章の冒頭で、皮膚の老化の話題を取り上げた際に長寿の話をしたのを、ご記憶でしょうか。
    線虫、ショウジョウバエから始まって、マウス、ラット、サルまで、すべての生物で、腹七分目、八分目にすると、寿命が延びることがわかっています。

    神経の働きやく

    認知症専門病棟で回診と当直を担当したのです。

    検査を受けておくことが大切です。

    それは腹七、八分目にすると、SIRT1という長寿遺伝子が活性化するからだと言われています。一方で、こういう研究もあります。ネズミを腹八分目にするのですが、少なくなった分をAGEのドリンクで補うと、寿命は延長しません。
    反対に腹いっぱい食べさせても、食べ物の中のAGEの量を八分目にすると、腹八分目にしたのと同じ寿命長寿遺伝子SIRT1が増えることがわかりました。
    食事からとるAGEも少なく延長効果がある。
    さらに食事でとるAGEを制限すると、以上のことから、なったために、腹八分目による寿命延長効果は、食事が少なくなった分、寿命が延びたとも考えられます。
    性ホルモンに与える影響-更年期障害男性にも更年期症状があるようです。
    低下症候群(Late-onsetHypogonadism)。
    早い話が男性ホルモンの低下です。
    これは、ロー症候群といわれています。正式名称は加齢男性性腺機能頭文字をとってローLOH症候群です。テストステロンというホルモンが低下して、男性らしさが失われていきます。メンタル面では覇気がなくなり、うつ傾向があらわれます。体型も女性化して、脂肪がつく。
    すると内臓にも脂肪がつくので、内臓脂肪型肥満からメタボリック·シンドロームになりやすい糖尿病を発症して、動脈硬化のリスクが高くなることも知られています。
    そしてこのロー症候群の男性ほどAGEの値が高いという相関関係がみられます。逆に言うと、が高いほど、男性ホルモンが少ない男性更年期になりやすいという言い方もできます。AGEの値AGEとロー症候群との因果関係についてはまだよくわかっていません。考えられる仮説としては、AGE値が高いとメタボリック·シンドロームになる。メタボのいろいろな因子が男性機能を落としている可能性があります。それからAGEそのものが男性の性腺機能を落としている可能性も考えられます。
    このあたりは、まだよくわかっていません。
    最近、男性更年期が注目されていますが、している先生がいます。
    更年期
    という言い方はやめてロー症候群
    にしようと提唱私も日頃からいろんなことを教えていただいている帝京大学の堀江重郎主任教授です。
    堀江先生によると、更年期とは年が改まって新しいものに変わること泌尿器科の先生です。では何に変わるのかというと、女性の場合、更年期になると女性ホルモンがなくなって男性ホルモンが残るイメージ的には、中学生くらいの男子に戻ってしまう感じだそうです。

    検査が行われています。

    認知症の中核

    そういえば、その年代の中年女性は徒党を組んでみんなで遊びに行ったり、旅行をしたり、キャッキャツと楽しそうです。
    おしゃべりも活発ですし。
    単に、子どもに手がかからなくなったせいというだけではないように見えます。
    彼女たちはみな、ホルモンバランスが中学生の男子のようになってしまったのでしょう。
    では、男性は何に変わるのかというと、男性ホルモンが出なくなるので、堀江先生いわく仏様になるらしいです。すべてを達観した意味で仏様になるのではなく、興味を持たず元気もなく、ただ生きているだけのようななんだか、おとなしくなってしまう。
    何にも年をとると丸くなる、と言いますが、単に男性ホルモンが少なくなって、覇気がなくなっただけかもしれませんね。
    ロー症候群の状態は、そろそろその年を迎えつつある私にとっても魅力的には見えません。私は現在四九歳です。お世辞でも若々しいですね、活発ですね、と言われるとうれしいです。なんとかロー症候群だけはさけたいと思います。AGEを抑えることが予防につながるかもしれません男性ホルモンの話が出たついでに話しておくと、とっては悪玉になります。
    男性ホルモンは男性にとってはとても重要ですが、女性にのうほうたとえば女性なのに男性ホルモンが出すぎてしまう、多嚢胞性卵巣症候群という病気があります。
    ぶくれのような嚢胞がたくさんできて、そこから男性ホルモンが過剰に出てしまう。
    卵巣に水これになると、女性が男性化します。
    ヒゲまで生えてきます。
    そしてAGEがたくさんある女性ほど、男性ホルモンの値が高い男性はAGEが多いと、男性ホルモンが少なくなりますが、女性は反対に男性ホルモンをつくってしまう。同じAGEなのに、女性と男性でまったく逆の作用をする。そしてどちらの場合も悪さをする。例のAGEのパターンですよ。

     

    老化が促進する可能性が高い

    病気や体調正常の働きを阻害し、やらなくてもいいことをしでかす。
    まったくあまのじゃくな物質です。歯周病とAGE最近、歯周病の患者さんが増えています。特に糖尿病やメタボの患者さんで歯周病のリスクが高いことがわかってきました。歯周病とは、歯を支えている歯茎などの組織にばい菌がついて慢性の炎症が起きる病気です。歯茎からの出血や痛み、口臭の原因になるだけでなく、ひどくなると歯が抜けてしまいます。そして歯周病が進むにつれて、糖尿病が進行したり、心筋梗塞などの血管系の病気になるリスクが高まるともわかってきています。いわば、口腔内に起こる生活習慣病の一つです。
    この歯周病の進展にAGEが関与しているようです。糖尿病のネズミでは歯周病が進みやすく、AGE-RAGEが活性化していることがわかっています。
    歯周組織でまた、歯周病のある糖尿病の患者さんでは、歯周病のない糖尿病患者さんと比べて血中のAGE値がより多くたまっていることも知られています。
    どうやらAGE-RAGEの活性化が歯周組織の炎症を強め歯周病を進行させてしまっているようです。お口の中でもこいつは悪事を働いているのです。
    AGE-RAGE連合軍が、体の各所でいろいろ悪さをする、

    AGEを抑える薬と治療の最前線

    AGEをつくりやすい人とつくりにくい人がいる病気のかかりやすさとAGEとの関係について、お話ししたいと思います。同じように血糖コントロールが悪く、糖尿病になってから同じくらい日が経つのに、ある患者さんはピン失明寸前AGE-RAGEシャンしていて合併症などまったくなし。
    一方、ある患者さんは、透析を受け、糖尿病の患者さんを多く診察していると、こんなケースに遭遇します。
    悪のもとなら、なんだか、おかしな話ですよねの活性化が諸でも、こういった病気、合併症の起こしやすさにも、AGE-RAGEは深く関わっています。
    食習慣や生活習慣で、体内にたまるAGEの量が変わってくるのはもちろんです。でもそれ以外に、AGEのたまり具合には個人差があることがわかってきました。
    同じ二00という血糖値が五年間つづいても、AGE化が進みやすい人と、卵性双生児を対象にした研究でわかってきたのです。
    進みにくい人がいることが、一AGEの量1血糖値×その持続時間であらわせましたよね。でも、AGEのつくられ方には遺伝的な違いが存在するのです。

    認知症専門病棟で回診と当直を担当したのです。

    検査結果で測れるものではありませんで同じ期間過ごしても、AGEが多くできてたまってしまう人とそうでない人がいます。
    かりですよね。できやすい人は、合併症が進みやすいのです。
    早い話、そして、同じ血糖値もう、おわアメリカの研究で、AGEができやすい人は、なんと糖尿病腎症のリスクが約三倍高まることが知られています。さらに、生まれつきAGEとくっつきやすいRAGEをもっている人が存在します。この人たちは、同じだけAGEがたまっていても、より病気が進行しやすいのです。
    つまり、AGE-RAGEの活性化にも個人差があって、それが病気のかかりやすさを決めている可能性があるわけです。不幸な組み合わせをもって生まれてきた人は、かなり割を食うわけです。理不尽に思えるかもしれませんが、そういう人がおられるのは確かな事実です。
    ただし、このAGEの個人差について報告があるのは、るほかの疾患、たとえば皮膚や目、骨の老化、血管障害、んど手がつけられていないのが現状です。
    糖尿病の患者さんについてぐらいで、AGEが関わアルツハイマー病やがんの個人差についてはほとしかしAGEのつくられ方に個人差があるだろうことは当然予想されるので、います。今後、研究が進んでくると思また、食品からとるAGEを体内に吸収しやすい人としにくい人がいることも考えられます。
    もちろんAGEを含んだ食品をたくさん食べる人は、AGEが体内にたまっていくのは当たり前ですが、どれくらいたまるかは個人差があるでしょう。
    一般論では七%が体内にとどまるといわれています。100のAGEをとったら、だいたい七くらいが体にたまるのではないかと、といわれている。でも、そこに個人差がある可能性はあります。
    私もこの領域について関心をもち、医学論文を多く調べてみましたが、食べ物のAGEの消化·吸収というテーマでの研究は、ほとんど行われていません。唯一、アミノ酸を輸送するタンパク質がAGEの吸収に関わる、という論文が二〇一〇年に一つ発表されているだけです。
    消化·吸収の分野は、100年ほど前に盛んに研究が行われていたようですが、その後は下火になってしまったのでしょうか。

    病気を治すためには食べない


    学問にもはやり廃りがありますから。
    したがって、AGEが吸収されやすい、されにくいという個人差については、可能性はありますが、現時点では科学的な論文、証拠は皆無です。面白いテーマと思いますので、どなたかご興味があれば、ご連絡ください。一緒に研究しましょう。
    AGEを測定する機械AGEリーダー
    いま、自分の体内にどれくらいのAGEがたまっているのか?
    知りたいですよね実はAGEリーダーという名前の機械があります。
    以前、私が何度かNHKの健康·情報番組に出演したときも、このAGEリーダー
    を使って、出演者や患者さんの皮膚のAGEの量を測りました。
    しかしこの機械は正確にいうと、AGEだけを測るものではありません。正確な名称は、蛍光リーダー
    と呼ぶべきものです。つまり、この機械で何を測っているのかというと、AGEの一部、AGEの中で蛍光を出すものだけを測っているのです。
    AGEはタンパク質を糖化する糖の種類によって、少なくとも十数種類はあることがわかっています。それにまだ、構造がわかっていない未知のAGEもたくさんあるようです。
    そのうち蛍光を発するものだけを測っているというわけです。この機械の問題点はもう一つあります。皮膚の中で蛍光を発生する物質はAGEだけではないということです。ですから、AGEリーダーによる数値は人間の体の一部のAGEと、AGEではなく、蛍光を発する物質の総和を示していることになります。厳密に言うと、AGEを測ったことにはなりません。
    ネーミングがうまかったということでしょう。
    では、正確にAGEを測ろうと思ったら、どうしたらいいのでしょうか。体の細胞を少しとってきて組織にたまったAGEを測るしかありません。たとえば皮膚を小さく切開して、細胞をとるわけですが、それだと患者さんの負担があまりに大きいですよねそこで私たちがターゲットとしているのは、髪の毛と爪と唾液です。
    かす過程でAGEも壊れてしまう可能性があります。
    ただ、爪や髪の毛の場合は、成分を溶三つの中では、唾液が一番実現性があります。

    認知症といってもいろいろなバリエーションがあることを知

    認知症と診断してアリセプトの投与を続けている

    医療センター病院長でできるのではないかと思います。どこかの会社か研究機関が本気でやろうとすれば二年それから尿の中のAGEを測って研究している人もいます。たしかにおしっこのAGEの値が高いと骨粗鬆症で骨折しやすいとか、腎臓病が進みやすいという論文は出てきています。ですので、将来は尿で体全体のAGEの動向がわかるような方法も確立されるかもしれませんちなみに私たちの研究室では、血液からAGEを測定しています。これはかなり手間がかかる方法です。でもロボットで1日1万検体も測れるようになっていけば、さながら健診でヘモグロビンAleを測るのと同じように、一般にも普及することになるでしょう。
    三○S四0分待ったら、AGEの数値がわかるような時代はもうすぐです。
    治療法も出てくるようになると思います。
    そうすれば、きっといろいろなちなみにこの方法で測ったAGEの値が高い方ほど、血管がボロボロで網膜症や腎障害が進んでいます。動脈硬化も進んでいて、プラークがブチッと破れて心筋梗塞や脳梗塞を起こしやすい状態になっていることが予想できます。私たちの測定でAGEの値が高い人は、血も固まりやすいようで、将来、心臓·血管系の病気を引き起こしやすい人たちのようです。

    AGEから得られる情報を参考に、どの患者さんに、いつから、どの程度の治療を始めればよいのか、そうした判断ができるようデータを蓄積している最中です。データがまとまってくれば、個々の患者さんに対してテーラーメードの治療を行うことができるようになるかもしれません。
    3食べたAGEを吸着して排泄する活性炭AGEを増やさないためには、なるべく食生活に気をつけて、AGEの少ない食品をとるように心がけなければいけません。

    薬を飲ん

    認知症といってもいろいろなバリエーションがあることを知

    私の母親も痛みを訴えたことはありませんでしたが椎体骨折を起こしているようです。私が小学生のころに比べて三センチほど身長が縮んでいます。もともと小柄ですので、骨の量も多くなく、加齢による骨粗鬆症の影響を受けやすかったのでしょう。さらに、骨粗鬆症には、遺伝が強く関わります。そういえば、母方の祖母も背中が丸く、「なんで下を向いて歩いているんだろう」なんてことを子どものころに思ったことがありました且萍公正ア背中が丸くなると腹圧が上がり、食べ物が逆流して逆流性食道炎になった不整脈が出る可能性があります。呼吸器肺の働きも障害されることがわかってきました。
    り、心臓や大動脈も押されるためいろいろな病気の原因になるというわけです。
    ここで骨の構造について少し説明しておきましょう。
    骨は鉄筋とコンクリートでできている建物を想像していただけると、一番わかりやすいと思います。
    どれだけいい素材の鉄筋を入れているか、どれだけコンクリートをケチらずにきちんと入れているかで、建物の強度が変わってきます。
    と骨質によって変わります。
    骨密度に相当するのがコンクリートで、骨の強さも骨密度たるのが鉄筋です。骨の量骨質に当鉄筋、つまり骨の屋台はコラーゲンでできています。コンクリートは、骨をつくったり壊したりする細胞(それぞれ骨芽細胞と破骨細胞と呼びます)で調節されています。コラーゲンは三つ編みのような構造になっていて、骨の中に足場を組んでいます。その足場に支えられて、コンクリートに相当するカルシウムから簡単に言うとミネラルが集まっています。
    つまり鉄筋に相当するものが大事なのふつう骨の強さは骨密度で計られることが多いのですが、ではないか、ということが最近わかってきました。

    老化のメカニズム人はなぜ実は骨質というのも、糖尿病の患者さんには骨粗鬆症の人が多く、とくに1型糖尿病(インスリンをつくる細胞が壊されて起こる糖尿病若年発症例が多い)の方では、七倍近く骨粗鬆症の危険性が高いのですが、骨密度を計ってみるとそれほど低くない。
    建物でいうまた成人になって糖尿病になった患者さんにいたっては、とコンクリートの量は多い骨密度はふつうの人よりむしろ高いにもかかわらず、二倍、骨粗鬆症のリスクが高い。ポキポキ折れるのはどうしてか^どうやら糖尿病で骨粗鬆症を起こしている最大の原因は骨密度にあるのではなく、鉄筋に相当する部分、つまり骨質に問題があるのだろう、ということになってきたわけです。
    AGEが骨をもろくするコラーゲンに問題があるというこ骨の鉄筋に相当するのがコラーゲンです。
    とです。骨質に問題があるというのは、そこでAGEが登場します。骨のコラーゲンが糖化してAGEになると、コラーゲンとしての本来の機能を失ってしまう。つまり鉄筋としての機能を失い、錆びついて、ポキッとチョークのように折れやすくなってしまう骨のコラーゲンがどんどんAGE化してい長く糖尿病にかかっている患者さんほど、くからです。骨が折れやすいのは、長期でだから発症初期の糖尿病の患者さんは、いくら血糖値が高くても、糖尿病にかかっている患者さんほど骨粗鬆症になりやすいのです。

    骨折のリスクはあまり高くない。
    さきほど糖尿病の患者さんは骨密度があまり低くないと言いました。でも、長くかかっていると、骨質だけでなく、やがて骨密度も低くなってきます。糖尿病の患者さんに重度の骨粗鬆症が多いのはそのためです。
    ここにも実は、AGEが関係してきます。
    機能を失わせますが、細胞の受容体RAGEと結びつく鉄筋だけでなく、コンクリートもスカスカになる。
    AGEはそれ自体、元のタンパク質を変質させて、と、攻撃的なモンスターに変身するのは、お話しした通りです。
    骨を構成する細胞でもそれが起こります。骨には、骨細胞、骨を形成する骨芽細胞、さらに古くなった骨を破壊する破骨細胞の三種類が存在します。骨の新陳代謝を考える上でとくに大切なのは、骨芽細胞と破骨細胞の一つです。

    • 薬が合わないのでちょっと減らしてください
    • 薬を飲みなさいといわれてしまいます。
    • 細胞の中にポツポツといるイメージです

    病気になりました。

    細胞内にはミトコンドリアがあ骨はずっと変わらないように見えますが、古い骨は破骨細胞に食べられて、強度が維持されるしくみになっています。私たちの皮膚と同じです。
    常に新しいものに置き換わりさてここに、コラーゲンが糖化されて終末糖化産物となったAGEが登場します。骨の細胞はみな受容体のRAGEをもっています。そこにAGEがくっついてAGE-RAGEの複合体が生まれます。
    さあ、どうなるか。
    骨をつくる骨芽細胞のRAGEにくっついたAGEはAGE-RAGEとなって骨芽細胞を殺してしまいます。
    つまり骨をつくる細胞が減ってしまうわけです。
    一方、破骨細胞のRAGEにとりついたAGEは、破骨細胞を活性化させ、どんどん増やします。骨は食べられてしまいますから、ますます骨の量は減ります。骨がもろくなっていくのです。RAGEを数多くもって生まれてきた例のネズミの骨は、ボロボロとなります。から溶けだしたカルシウムはどこに行くのか?
    ここで一つ言っておかなければいけないことがあります。AGE-RAGEカルシウムが溶けだします。では溶けたカルシウムはどこに行くのでしょうか^によって破壊された骨からカルシウムは血液の中に出てきます。
    そして結局は骨以外のところで沈着します。
    とくに沈着しやすいのが、さきほど血管のところで話した動脈硬化のプラーク部分です。
    かゆ動脈硬化の粥状部分に沈着して、石のように硬くする。
    やわらかい粥のようなプラークと固い石灰化が共存するので、ちょうど境目のところに物理的なストレスがかかって、プッツンする血小板がやってきて、血液を固める、血栓ができる。
    そして血管がつまる。
    だから骨粗鬆症は、同時に動脈硬化、石灰化のリスクも引き起こすのです。
    でもなぜカルシウムは動脈硬化の部分で石灰化するのでしょう^ここにもAGE-RAGEが関わります。

    に働いて骨をつくらせなくし、破骨細胞に対AGE-RAGE複合体は、骨の骨芽細胞に対してはしては活性化させて骨を溶かしてしまいます。

    病気に対してじんたい一方、血管の局所の平滑筋細胞や靱帯の細胞にはに働いて、骨をつくるように作用をします。片一方で骨ができつつ、片方で骨が壊れる。でも、骨にしなきゃいけない所で骨ができず、しなくともいい所で骨をつくる。まあ、みなさん方は、もうおわかりですよね。AGE-RAGEのこの性格出しゃばって引っ掻き回す。余計なことばかりする。
    だから、骨粗鬆症が起きている一方で、きれば、靱帯の石灰化が起こってしまう。

    血管で骨ができ石灰化すれば、動脈硬化が起こるし、靱帯で骨がで実際、そういう病気があります。後縦靱帯骨化症といって、背骨を取り囲む後ろ側を連結する靱帯がすべて骨になっていく難病です。骨になった靱帯が脊髄を圧迫したり、脊髄から出る神経を圧迫するので、手足がしびれたり、動かなくなる。おしっこやうんちを漏らしてしまう人もいます。
    昔からこの病気は糖尿病の患者さんに多かったのですが、その理由がわかりませんでした。しかし、AGEの石灰化、骨をつくってしまう作用という観点で見ると、その理由がきれいに説明できますね。これも内輪の話で恐縮ですが、私の親父は、後縦靱帯骨化症に罹っています。軽い糖尿病もあります。幸い症状もなく、経過観察されているだけですが、実は親父の体にも母親同様、AGEが悪さをしていることになるわけです。

    細胞分裂を繰り返しながら上層に向かい

    きっと、この本を読まれているみなさんの身近な方の中にAGEが関わる病気に悩まされている人がいるはずだと思います。要は骨になってほしいところではできなくて、骨にならなくていいところで石灰化が起こる。
    AGE-RAGEは徹底して人間の体内の均衡、バランスを壊していくのです。
    悪の化身
    といえるのです。
    目に与える影響-白内障人間の体内にあるタンパク質はコラーゲンだけではありません。
    黒目の表面の奥にある光を調節するレンズに当たる透明な水晶体は、クリスタリンというタンパク質でできています。この物質は一生入れ替わりません。
    代謝されずにそのまま変わらない。
    人の寿命と一緒です。
    八〇歳まで生きるとすると、その間、一度も新陳一方、人間の皮膚は二八日で入れ替わります。体中の皮膚は二八日で全部変わってしまう。
    たと、1カ月後のあなたは同じ人間ですと自分では思っていても、皮膚科医から見れば、です。一カ月前のあなまるで別の人間ということは、水晶体はひとたびAGE化を受けると、影響は大きい。
    皮膚の比ではありません。
    AGEを考える上で重要な点は
    時間
    だと言いました。
    つまりどれだけ高い血糖値に、どれだけ長くさらされるかが問題です。

    病気に影響しないかと心配する母良恵さん

    治療を始める必要があります。でも、もしタンパク質が皮膚のようにすぐ入れ替わるものなら、かりに糖のたんこぶができても、ある程度の時間が経てば入れ替わってしまうので(ふつうの皮膚より入れ替わる時間はかかるかもしれませんが)、時間のファクターは薄められます。
    ところが水晶体は生まれ落ちてからまったく変わらないので、いままでのAGEのツケを全部一緒にため、んでしまいます。水晶体がAGE化すると、濁ってきます。もっともひどい状態になると水晶体が黄色くなる。目玉を見ると黒目が黄色に見える。つまり食べ物の中のタンパク質が糖と一緒に加熱されて茶色くなるメイラード反応
    褐変反応が、クリスタリンに起こってしまうわけです。これは、きわめて進んだ白内障と考えられ、褐色白内障と呼ばれています。内障と言っていますが、さらに進行すると黄色くなる。水晶体全部がAGE化して、まさしくフライパンで調理したのと同じようなことが起きてきます。
    もっともいまの眼科では、褐色白内障はあまり見られなくなりました。情報化が進んでいるので、水晶体が濁ってくると、「あなた、白内障じゃないの?」といろいろな人から言われます。早い段階で病院に行くので、何とか食い止められるでも私が医者になった二五年くらい前は、黄色い目の人がけっこういました。

    とくに糖尿病の患者さんに多ふつうの人は七〇歳くらいから白内障の症状が出てきますが、糖尿病の患者さんは五〇歳くらいから症状が出てくる。それは高血糖のため、AGEの反応が進み、クリスタリンのAGE化が起こってくるからです。3脳に与える影響-アルツハイマー病アルツハイマー型の認知症とは、アミロイドというタンパク質が脳の組織に沈着して神経細胞が破壊され進行性の記憶障害、認知機能障害を起こす病気です。もっとも多いタイプの認知症で、日本には六0.00万人いると考えられています。ドイツの精神科医アルツハイマーが、嫉妬妄想と記憶障害が主な症状の女性を診察し、後に師匠のクレペリン先生が教科書で紹介したことからアルツハイマー病と呼ばれるようになった病気です。沈着したアミロイドは、老人斑と呼ばれる斑点をつくります。沈着が広がって、斑点が増え、神経細胞が破壊され、認知症が進むわけです。


    老化のメカニズム人はなぜ 細胞分裂が盛ん 治療と併用しているとき